PSPo2小説04
[注意書き]
この小説は株式会社SEGAから発売されているPSPo2の二次創作小説です。
原作をプレイしただけではわからない部分には作者独自の解釈などが含まれますので、苦手な方はご注意下さい。
第4話「守護者」
同盟軍の演習が終わり、ヘビーガン達が帰路についたその頃。ガーディアンズコロニー内部にある警備部部長室にて銀髪に赤い目を持つヒューマンの女性が少々気だるそうに端末内に表示されている書類に目を通していた。
「まぁ~た予算削減だのなんだの……相変わらず出資者は言う事がワンパターンね」
見慣れた文字の羅列を彼女はうんざりとした様子で眺め、作業的にサインを書き込んでいく。
「こんなことなら、出世の話蹴って現場で身体動かしていた方が良かったかなぁ……」
そんな事をぶつぶつ言っていると、ドアがノックされる。
「入っていいわよ」
彼女がそう許可するとドアが開かれ、一人の男が入ってきた。
「失礼します。エトワール警備部長」
その手には先程彼女、エトワールが操作していたものよりも薄型で持ち運びが便利な情報端末が握られている。
それを見るや否や、彼女はあからさまに不満げな表情をした。
「……今日はそろそろランチタイムになるころのはずだけど、その手に持っているものは何?」
エトワールがジト目で睨むと、男は少々たじろぎながらも説明した。
「情報部からの報告書でして、例の行方不明事件についての被害者リストと調査報告のようです」
「……!なんでそれを早く言わないの!」
エトワールは引っ手繰るようにして端末を受け取ると、その内容を確認する。
そこには、行方不明者の名簿とその共通点について事細やかに記載されていた。
「……ベテランばかりじゃない」
まず彼女が気付いたのは、行方不明になっているガーディアンズ隊員のその誰もがSEED事変以前からのベテランであると言う事であった。
だが、その続きに書いてある内容こそがもっとも彼女を唖然とさせる。
「これは………どういうこと?」
「インヘルト社、ですか?」
パルムの首都タルカス・シティにあるとあるカフェにて、ヤックルは今回行方不明になったエマニュエルやその他の被害者達の情報をジンの話と手渡された端末にて説明されていた。
「そうだ。聞いたことはあるだろ?」
「はい、大手の総合科学企業で亜空間理論を提唱したのもあそこだとか………」
インヘルト社といえば、最近亜空間理論の提唱などによって有名となった企業であり、また政府の移民計画などからも注目されている企業である。
「そのくらい知っていれば十分だな」
「けど、ここに書いてある依頼主は皆インヘルト社じゃないですよ?」
ヤックルは端末に記されている依頼主の一覧を眺めながらそう疑問をぶつける。
「まぁ、単純に眺めただけじゃあ解らないとは思うが……そこに名前がある企業は、その大部分がインヘルト社の下請けだったり子会社だったりなんだよ」
「そうなのですか」
「あぁ、だが個人の依頼主については今のところ共通点は無いけどね。それに、まだ情報が不確な上にその理由もわかっていないから、本当にインヘルト社に関わっているのかどうかもわからないのが現状なんだ」
ジンはヤックルにすまなそうにそう言うと、話が始まる前に運ばれてきていたコーヒーを口に含んだ。
対するヤックルは、行方不明者リストに目を通していた。
「探し人は見つかったかい?」
ジンの言葉に、ヤックルは小さく頷く。
「そうか、それはよかった。じゃ、俺は仕事があるから行くよ。これ以上デスクを空けると後でルゥさんに叱られちまうからな」
「今日はありがとうございました。いつかお返ししますね」
「いや、いいよ。代わりにお前の親父さんに飯でも奢ってもらうさ」
ジンはそう言うと立ち上がり、会計を済ませてカフェを出て行く。
ヤックルはその姿を見送りながら次に自分がどうするべきかを考えていた。
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コメント
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本当に要職に着いている!有り難いのやら、笑っていいのやら……
意外とエトのキャラを掴んでいてちょっとびっくり
投稿: エトワール | 2011年5月23日 (月) 17時39分
エト部長・・・。中間管理職たいへんだ~~。
投稿: ミュラ | 2011年5月23日 (月) 22時03分
自キャラが登場すると胸が熱くなるね。(まだそんなシーンじゃないけど)
今日もラッピーカレーご馳走になります。。
投稿: アルファンド | 2011年5月25日 (水) 00時27分