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2011年6月19日 (日)

PSPo2小説06

[注意書き]
この小説は株式会社SEGAから発売されているPSPo2の二次創作小説です。
原作をプレイしただけではわからない部分には作者独自の解釈などが含まれますので、苦手な方はご注意下さい。

第6話「決意」

 レリクスでの騒動が起きてから2日ほど経ったある日。
ヤックルはとある決意を胸にして、モトゥブの空港でシャトルに搭乗していた。
行き先は、かつての古巣であるガーディアンズコロニー。
「2年ぶりだけど、どうなっているかな……」
 シャトルの席に座りながら、ヤックルはそう呟く。
ヤックルが退職した頃のガーディアンズコロニーといえば、コロニー落下事件などがあったために中心区画となっている地区以外はそのほぼ全てが失われていた。
あれから2年経った今、はたしてかつて自分が籍を置き生活していた場所がどうなっているのか。ヤックルは少し気になっていた。
しかし、今回彼女がコロニーに向かうのは昔を懐かしんでのことではない。
今回の失踪事件を本格的に調べるに当たって、話をしておきたい人物に会いに行くためだ。
「当機は、これより惑星間ワープ航法に入ります。皆様、シートベルトのご着用を………」
 機内にアナウンスが静かに流れる。
 シャトルでの旅は短い。
惑星間をワープ航法によって行き来するために、ものの1時間ほどで終了してしまう。
そのため、シャトルで宇宙を行くといっても感覚としてはバスに乗るのと殆ど同じものだ。
大抵の場合は航行が終わるまで睡眠をとる、もしくは読書などをする人が多い。
ヤックルもその例に漏れず普段は睡眠をとるのだが、今回は目が妙に冴えてしまって退屈な時間を過ごしていた。
(こんなことなら、鈴音を連れて来ればよかったなぁ……)
 今回の事件のことを知っている鈴音なら、心を悩ませて彼女のことを気遣って話し相手をしてくれたであろう。
しかし、そんな頼れる相棒は現在家の留守を任せてきてしまっているために側にはいない。
ヤックルは仕方なしにその1時間を座席に座るだけで過ごすこととなった。
シャトルがコロニー内の空港に到着すると機内にアナウンスが流れ、乗客が次々と降りていく。
ヤックルはシャトルから降りると、そのまま空港を出てガーディアンズ宿舎へと向かった。
相手には連絡してあるため、直接マイルームを訪ねる。
マイルームのドアの前に立つと、横にあるインターホンを鳴らす。
「はい、どちら様で?」
すると、インターホンのモニターにGH452タイプのパートナーマシナリーが映った。
「ヤックルです。リリアちゃんお久しぶり」
「あぁ、ヤックル様ですか。アタナシアから許可は貰っていますので、入ってもいいですよ?」
 そっけない態度でそう言うと、リリアはモニターを切ってしまった。
「あははは……相変わらずだなぁ」
 ヤックルは少し思い出し笑いをすると、ドアを開けて中に入る。
「おじゃましまーす」
「どうぞ~」
 部屋の奥から懐かしい声が聞こえる。
ヤックルは声の主であるニューマンの少女の前に立つと、思いっきり抱きついた。
「アタナシアちゃん久しぶり~!」
「久しぶりだね、ヤックル」
 アタナシアもヤックルを抱き返した。
久々に面と向かって再開したのを喜ぶ2人であったが、ヤックルは自らがここへ訪ねてきた理由を思い出すと名残惜しそうに抱きしめていた手を解く。
「アタナシアちゃん、今日来たのは………」
「あぁ、話があるって言っていたね。まぁ大体は察しが着いているけど……エマニュエルの事、でしょ?」
 アタナシアにそう返されたヤックルは静かに頷いた。
それを見たアタナシアは、やっぱりと呟く。
「話は長くなるのでしょ?まぁ、椅子にでも掛けてよ」
 そう促すと、アタナシアはリリアにコーヒーを持ってくるように指示し、ヤックルの正面の椅子に腰掛けた。
「じゃあ、話を始めましょう?」
 アタナシアにそう言われると、ヤックルはナノトランサー端末を取り出した。
それをアタナシアに渡すと、もう1つ同じものを出してジンに提供してもらった情報に自分が調査した失踪事件についての事柄などを交え、エマニュエルの失踪にインヘルト社が関わっているのではないかという推論を話した。
「ふぅん……インヘルト社、ねぇ………」
 アタナシアはその社名に何か思い当たる節があったのか、おもむろに自らのナノトランサーから紙の資料を取り出しヤックルに渡した。
「これは?」
「情報部のジンって人が、この間失踪事件についての調査で来た時に置いていったのよ」
「え、ジンさんが?」
「たしかそう名乗っていたよ。知り合い?」
「義父さんの知り合いで、この資料を提供してくれたのもジンさんだったから………」
「ヤックルの義父さんって、意外な場所に人脈があるね」
「元々ガーディアンズだからね」
 ヤックルはそう言うと、話を元に戻す。
「資料の中身は……」
「今後インヘルト社が行う大規模イベントについての予定資料だね」
 アタナシアはそう返すと、予め目印をつけておいた項目をヤックルに見せた。
「これは?」
「インヘルト社が主催で行う亜空間理論のお披露目会、てとこ。あんたから連絡があった時に、こういう話になると思って予め印を付けておいたの」
「ありがとう!」
 ヤックルはそう礼を言うと、資料を読み込む。
どうやら、それは開催日時が間近のようであった。
「で、資料を提供した代わりに1つ頼みごとがあるのだけど………」
「え?」
 資料に目を釘付けにされていたヤックルは、驚いてアタナシアの方を見た。
「私も調査に一緒に連れて行ってほしいの。もちろん、フリーの傭兵としてね」
 アタナシアの頼みに、ヤックルは目を丸くして驚いた。
アタナシアはガーディアンズの権限を使って調査するものだとヤックルは思っていたのだ。
「け、けどガーディアンズの仕事は………」
「いいのいいの、あんたが退職した後からガーディアンズも人気の職業になってね、私1人くらいいなくても代わりはいるし」
 アタナシアはそう言うと、さらに言葉を続けた。
「それに、もう休職願いだしちゃったからね。有給休暇も全部はたいたし」
「え、えぇー!?」
「まぁ、そういう訳だから、よろしくね!」
 アタナシアの少々強引なやり方に驚いたヤックルだが、ガーディアンズ時代から付き合いのある力強い友人と共に調査できるということもあって、とても喜んだ。
この後、2人はインヘルト社の主催する亜空間理論イベントにどう潜り込むかを話し合ったのであった。

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コメント

ガーディアンズに有給休暇…
私も欲しいです有給休暇(・ω・`)

興味深い内容ですね。師匠の世界ではワープ技術が確立されてるという設定ですか。
SUVは転送されてくるという設定があるので、有りだと思いますけど。
亜空間航法ができたら、ベクタートラックがいらなくなるなどの発言があったり・・・。
グラールは、技術レベルがよくわからない世界なので、その辺はいずれ熱く語りあいたいですね。

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