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2011年6月26日 (日)

PSPo2小説07

[注意書き]
この小説は株式会社SEGAから発売されているPSPo2の二次創作小説です。
原作をプレイしただけではわからない部分には作者独自の解釈などが含まれますので、苦手な方はご注意下さい。

第7話「亜空間実験」

「成果無し……か」
 アタナシアは配布された施設全域のマップデータを眺めながらそう呟いた。
その横では、ヤックルが辺りを警戒するように見回していた。
 現在彼女達は、インヘルト社によるニューデイズでの亜空間実験の警備の仕事をフリーの傭兵として請け負っている最中であった。
目的は勿論、失踪したエマニュエルについての情報を得るため。
しかし、任務に就いてから相当経つものの何一つとして情報を仕入れることはできていなかった。
「まぁ、こんな目立つイベントで何か起こすとは思っていなかったけど……」
 アタナシアの言葉に返す様に、ヤックルはそう呟いた。
「そうだね……ん?こっちにもお客さんが来るみたいだよ!」
端末で周囲のデータを覗いていたアタナシアがそう言うと、ヤックルも同じく端末を確認する。
すると、端末には原生生物の反応が近づいているのが見えた。
どうやら他の地区も襲撃を受けているようだ。
「事前に原生生物が亜空間制御用の端末を狙うとは聞いていたけど……まさか、こんなに集中してくるなんて………」
ヤックルは驚いたようにそう言いながら、ナノトランサーから素早くリョウクレアサベラを取り出し構える。
「来るよ!」
アタナシアも得物であるビル・デ・ビア・ロッドを構える。
それとほぼ同時に、前方にある茂みの中から大量のオルアカとアギータが飛び出してきた。
「此処で成るべく討ち減らさないと、施設に布陣している方に負担が掛かるね………」
 今回の警備任務は2重の防衛網によって行われる手はずとなっている。
まず、施設の外において布陣している傭兵達によって施設に侵入する原生生物を出来うる限り減らし、その討ち漏らし分を施設内部に布陣している各警備会社部隊及び少数ながら派遣された同盟軍部隊によって殲滅する構図となっている。
ここまで手を尽くしているのは、この実験がグラール全体の命運を握るものだからである。
「いくよ!」
 まずは大量に出てきたエネミーに対して、アタナシアがジェルンとザルアによる牽制を、そして自らとヤックルに対してはシフタとデバンドによる補助を行う。
これによって一定時間エネミーの筋力を低下させ気力を奪い、こちらは筋力の増強と集中力強化によって敵の攻撃を防ぎ易く逆にこちらの攻撃を通り易くする。
補助を受けたヤックルは敵の只中へと突撃、両手に持つリョウクレアサベラによって迫り来るエネミーを切り裂く。アタナシアはその後方にてテクニックによる援護攻撃での足止めと、回復を行う。
長年共に依頼を請けて養ったコンビネーションは未だに健在であり、次々とエネミーを葬っていく。
だが、その調子を狂わすかのように不気味な笑い声とも取れる鳴き声が周囲に響く。
「コウマヅリ!」
アタナシアがそう叫ぶや否や、何もいなかった空間に原生生物が現れ瞬時にバータを放ってきた。
 ニューデイズ特有の原生生物であるコウマヅリ。
奴らは、テクニックを扱うことの出来る知能を有し、更には自らが移動する際には周囲のフォトンを操り姿を消すという厄介な能力まで持っている。
それ故に、出現した場合は最優先での排除が求められるエネミーだ。
 出現したコウマヅリに咄嗟に反応したヤックルは、懐に潜り込みその首を手に持つ刃で叩き落す。
体液を撒き散らしながら落ちる首。ヤックルは思いっきり噴出した体液を被ってしまう。
その場にドシャリという音を立てながら崩れ落ち、痙攣をする首無きコウマヅリの身体。
そんな事を気にする間もなく別のコウマヅリが連続してバータを放つ。
身体を捻ってヤックルがそれをかわすと、それに合わせてアタナシアがテクニックを放つために膠着しているコウマヅリに向かってメギドを放ち、その命を奪う。
だが、注意を他に逸らしたためアタナシアに大量のアギータが殺到した。
「なっ!」
アギータの体当たりによってアタナシアの華奢な身体が地面に転がり、脚にアギータが噛み付いた。
「く、離しなさい!」
シールドラインを着けている為、痛くはないのだがこれでは身動きが取れない。
どうにかアギータを足で払おうとするが、中々離してはもらえない。
そうしているうちに、新たに現れたコウマヅリが放った光弾がアタナシアに直撃、強い睡眠作用によって眠ってしまう。
「アタナシアちゃん!」
それに気づいたヤックルは、助けに行こうとするがオルアカなどに邪魔されて身動きが取れない。
エネミー達は、眠っているアタナシアには目もくれずに施設内へと入っていく。
ヤックルは兎に角アタナシアを助けようと手当たり次第にオルアカを切り刻み、その場を脱出する。
しかし、またもや突如として近くに現れたコウマヅリのギバータによってその足を氷付けにされてしまう。
「しまった!」
自らの足が凍るのと引き換えに、ギバートを放ったコウマヅリの首を切り飛ばしたヤックルだが、足が凍っていては動くことも出来ない。
そうこうしているうちに、施設へとエネミーが雪崩れ込んでいく。
炎属性のフォトンを纏ったクレアサベラでどうにか氷を溶かそうとするヤックルだが、まるで嘲笑うかのように氷は溶けない。
「このままじゃあ……!」
元々、エマニュエル捜索のための手掛かりを掴むために受けた依頼であったが、彼女達にも長年警備会社や傭兵をやってきたプライドがあった。
ヤックルには悔しそうに唇を噛み締めながら侵攻するエネミーの列を見続けるしかできない。
その時、辺り一体に轟音が響いた。
驚いたヤックルが音のする方に目をやる。
そこには何か爆弾が爆発したかののような黒煙が上がっており、その向こう側から何かが大量に駆けて来る音がする。
ヤックルが目を凝らしてみていると、煙の中から完全武装した同盟軍の兵士が大量に出てきた。
「直ちにこの場を制圧!施設内に雪崩れ込んだ分は内部に任せ、これ以上の進入を許すな!」
その兵士達と共に、黒いキャストがアックスを担いで現れたのであった。

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コメント

見事な戦闘シーンですね
キャラの動き等がしっかり伝わって来ます!
同盟軍強し!

そうだよね!!コウマヅリは光学迷彩使ってるのであって、テレポートを使ってるんじゃ無いんだよね!?マガス・マッガーナとかも、実はそれでワープに見せかけてるだけだとわたしは思ってます。
シフタ、デバント、ジェルンにザルア・・・。
そうだよね!!わたしもそっちの方がなじみ深いです!!

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