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2011年7月10日 (日)

PSPo2小説08

[注意書き]
この小説は株式会社SEGAから発売されているPSPo2の二次創作小説です。
原作をプレイしただけではわからない部分には作者独自の解釈などが含まれますので、苦手な方はご注意下さい。

第8話「黒いキャスト」

 突如として戦場に現れた同盟軍によって、一気に形勢は逆転された。
彼らの用いる重火器が一度放たれれば、迫り来る原生生物の大群は吹き飛び、近辺にその亡骸を晒すのみとなる。
「中佐、この近辺のエネミー郡の8割を撃破した模様です。残りも敗走を開始しているとの事」
「よし……カルヴィナ大尉、我が部隊はこの場の守備。逃げるエネミーの深追いはしないように徹底させろ」
「は!」
 カルヴィナと呼ばれたヒューマンの女性は、黒い男性キャストに命じられるとすぐさま部隊全体に命令を伝達させるべく端末の通信機能を使用する。
黒いキャストは指示をおえると、その場に医療班を呼びつけた。
「メディック!そこの傭兵の手当てをしてやれ!」
「了解!」
指示をされると、同盟軍の女性キャストがナノトランサーから医療ボックスを取り出し少し離れた場所に退避させられていたヤックルとアタナシアに駆け寄る。
「少し凍傷になっていますね……少し我慢してくださいね」
医療班の女性はそう言うと、ボックスからモノメイトを取り出し患部に塗布する。
「ありがとうございます」
「いえ。そちらの彼女の方は、どうやら腹部に軽い打撲だけのようですね。一応簡単な治療とソルトアトマイザーによる睡眠状態からの覚醒をしておきますね」
「お願いします」
ヤックルは丁寧にそう頼むと、今回の礼をするべく現場の指揮を取っている黒いキャストの元へと向かった。
彼は本部への状況報告をちょうど終えたところのようであったので、ヤックルは声を掛けた。
「あの、すみませんが……」
「ん?君は、さっきの」
声を掛けられると、彼はヤックルの方へと振り向く。
「今回はありがとうございます。お陰で、なんとか依頼を果たすことが出来ました」
「いや、困ったときはお互い様だ。私は、同盟軍本部第4大隊のライオウ中佐、司令官を勤めている」
ライオウはそう自己紹介すると、ヤックルに対して手を差し伸べる。
「私はヤックルと言います。今はフリーの傭兵を家業としています」
ヤックルはそう返すと、ライオウに応えて彼の手を握り握手をする。
握手をしながらも、ライオウは顎に手をやり何かを考えるようなそぶりを見せた。
そして、何かを思いついたのか静かに声を上げる。
「どこかで聞いた名前だと思ったら……そうか、君はヘビーガン大尉の娘さんか」
「義父を知っているんですか?」
「彼の部隊はうちの指揮下だからな。今日は直轄の部隊しか率いていないのでこの場にはいないが………よく君の話も聞かせてもらっているよ?」
驚くヤックルにライオウがそう説明すると、彼の端末から呼び出し音が鳴り響く。
「ん……すまないが、本部からの指令で次の現場に行かなければならないようだ。では、またの機会にでも」
ライオウはそう告げると、即座に部隊を集結させその場を後にした。
ヤックルがそれを見届けていると、今さっき起きたばかりで眠いのか、目を擦りながらアタナシアがフラフラと彼女に歩み寄った。
「うぅ……この3年間で腕が鈍ったかな……あんな負け方するなんて、ごめんね」
「謝らないでアタナシアちゃん。前衛がきちんとしていなかったから、フォースが危険に晒されたのだもの………」
すまなそうに謝るアタナシアに、ヤックルはそう言うと端末で依頼状況を確認する。
「どうやら、これで依頼の分は達成みたいだね?」
「ズルしたみたいで後味が悪いけど、これ以上はエメニュエルについての情報もないみたいだし……報酬を受け取って戻りましょうか」
「そう……だね」
アタナシアの言葉にヤックルはそう答えながらも、何か心残りがあるように遠くに見える亜空間発生装置を見据えたのであった。

 薄暗く、何かの研究器具が並ぶとある部屋。
そこでは、1人のキャストの女性が弱々しく拘束されていた。
「これは興味深いな。たかだか機械の分際で、ここまで抵抗するとは」
「…………」
目前に立つ、威圧的な態度を取るキャストの青年がそう話しかけると、彼女はギロリと青年を睨み付けた。
だが、青年はたじろぎもせずに、逆に口元を意地が悪そうに吊り上げる。
「ふん……だが、ここまでだな?私も、お前のようなガラクタといつまでも遊んでいられるほど暇ではない」
青年がそう言って女性の額に手をかざすと、女性は目も見開いて何かに抵抗するように悶え苦しみ始める。
「……ん!………!!」
苦悶の表情を浮かべながらも耐えているようだが、同時に限界が近いのも目に見えている様子であった。
「さぁ、屈するがいい!」
青年のその声を聞いた瞬間、最後の力を振り絞るようにして彼女は再び強い眼光でにらみつけた。
「……誰が、貴様みたいな……チャラい……自分のことを、王だとか自称している厨二野郎の、好き………に…………」
そこまで青年を罵倒した彼女であったが、それが限界であったのか一声上げるとその目から光が消えうせていく。
(ゴメン………アタナシア……ヤックル…………)
彼女、エマニュエルの意識はそこで途切れた。

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コメント

安定した更新。お疲れ様です。
ストーリー熱いですね・・・。
わたしは、まったりスローな感じでやってます。
・・・こっちも、近日中にはなんとか・・・。

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