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2011年8月26日 (金)

PSPo2小説09

[注意書き]
この小説は株式会社SEGAから発売されているPSPo2の二次創作小説です。
原作をプレイしただけではわからない部分には作者独自の解釈などが含まれますので、苦手な方はご注意下さい。

第9話「懐古の集い」

 パルムにある同盟軍本部内部の屋内射撃場にて、ヘビーガンは軍の時期主力ライフルの試験を行っていた。
軍の整備班や観測班、GRMの技術者などが見守る中、スコープを覗き込み遠く離れた標的に対して意識を集中させ、トリガーに指を掛け合図を待つ。
ライフルから頭部へと繋いだケーブルによって、キャスト特有の照準の補助を行い準備を整えた。
「5、4、3、2、1、0!」
カウントダウン終了と同時に、トリガーに掛けた指に力を込める。
すると、フォトンを主体として用いている従来のものとは違う火薬の爆ぜる音と硝煙の匂いが当たりに広がった。
スコープから見える標的は、その半分ほどが吹き飛んでいた。
「中心部より左下に0,2のズレを確認」
「了解………」
観測班からの報告に、ヘビーガンは静かにそう応えると次の標的へと狙いを定める。
こうして、マガジン内部の弾を全て撃ち尽くすまで試験は続いた。
「試験終了です。大尉」
「わかった。では後のことは頼むぞ、クゥエル少尉」
ヘビーガンは、副官であるクゥエルという女性キャストにその場の事を一任すると、試験についての報告書を製作するために本部内の自室へと戻る。
 士官用の自室へと入ると、端末を立ち上げて先程まで行っていた時期主力ライフル、ファイアーアームについての報告を打ち込んでいく。
そうして、報告書が書き上がるか上がらないかまで文章を進めたところで、突然端末のディスプレイ内にメッセージ受信を示すウィンドウが表示された。
「……ん?」
普段ならば仕事中にメッセージが届くというのは稀な事なので、ヘビーガンは一旦報告書を書く作業を中断してメッセージを開く。
発信者の名前は、ガーディアンズ機動警備部部長であるエトワールであった。
ガーディアンズ時代からの古い付き合いである彼女からの突然のメッセージに、気になったヘビーガンは急いでそのメッセージを開いた。
するとそこには、元ガーディアンズの知り合いが経営する店に飲みに行かないか、という内容が記してあった。
報告書もそろそろ書き終わると言う事で、ヘビーガンは了承の旨を打ち込むと返信し、手早く報告書を纏めて今回の試験を主催したGRMへと送付すると、端末の電源を落とした。
「大尉、試験会場の撤収完了いたしました」
すると、撤収を終えた事を報告するためにクゥエルがノックをしてから部屋へと入ってきた。
「おぉ、少尉か……。こちらも報告書が今済んだところだ。今から私用で少し出てくるから、後はいつものようにやっておいてくれ」
「は。了解です!」
そう指示をし、ヘビーガンは本部から出るとシャトルの空港へと足を運んだ。行き先はニューデイズだ。
 シャトルがニューデイズに到着すると、空港付近でタクシーを拾い都市部から少し離れた森が鬱蒼としている地域へと向かった。
運転手に示した住所に辿り着くと、慎ましい佇まいの家屋がポツンと建っておりその上にはニューデイズ、パルム、モトゥブの各惑星の文字で、「ミュラさんの団子屋」と書いてある。
入り口付近にはニューデイズ方式に則ったノレンが垂れ下がり、扉自体もそれと同じで少し古めかしい横にスライドする式のドアとなっていた。
ヘビーガンはノレンを潜り、扉を開けて店の中に入った。
「いらっしゃいませ~!」
「ごめんください」
「あ、ヘビさんじゃないですか~。エトさんなら奥の個室の方にいらしてますよ~!」
店主であり店の看板にもその名前があるニューマンの少女、ミュラはヘビーガンを見るとそう言いながら奥の個室へ行くようにと促す。
それに従い奥の個室へと向かうと、既にエトワールは先に一杯始めているようであった。
「お、ヘビさん。遅いぞ~!」
串に刺さった団子を片手に、もう片方の手に持つオチョコというニューデイズ独自の容器で酒を煽りながら彼女は上機嫌でそうヘビーガンに声を掛けた。
少し酔っているのか頬がほんのりと赤くなっていた。
「すみません。しかし何せ仕事中だったもので………」
そう言いながら、ヘビーガンはエトワールの正面のザブトンに座るとテーブルに添えつけてある端末から酒と料理をいくつか注文する。
「ところで、今日はどういったご用件で?」
注文を済ませたヘビーガンがそう聞くと、エトワールは少し膨れっ面をしながら酒を一息に飲み干すと、
「ただ一緒に飲みたかっただけだよ~……まぁ、少しだけ仕事の用件もあるのだけれど」
と言いながら再びオチョコへとお酒を注ぐ。
そんな感じで少し懐かしい話などをしていると、ミュラが料理と酒をお盆に載せて個室へとやってきた。
「はい、チキンカレーとラッピーの唐揚げ、オクトウ酒とお団子おまちです!」
ミュラが次々と料理やら酒やらをテーブルの上に置いていく。
しかし、その量は頼んでいたよりもかなり多い。
「ん?こんなに頼んだ覚えはないが………」
「私の分ですよ。今日はもう店仕舞いしいましたから、ここで昔懐かしい話でもしながら飲もうかな~って」
そう言うとミュラは空いているザブトンへと腰を下ろし、胡坐をかくとオチョコに酒を注いでチビチビと飲み始めた。
ガーディアンズ時代に付き合いのあった3人が集まったという事もあり、昔話と酒がどんどんと進んでいく。
「そういえば、そっちはどうなのよ?例の事件の調査」
すると、エトワールは突然ヘビーガンにそんな事を聞いた。
「例の……?失踪事件のことで?」
「そうそうそれ、こっちでも失踪者の調査やなんかが多くて目が回りそう………」
仕事の内容を思い出してか、エトワールは心地よい酔いが吹き飛んだかのように気だるそうにそう言う。
「こちらでも同様だな……かといって進展も特には………」
ヘビーガンも歯切れが悪いようにそう応えた。
現在そういった職に就いていないミュラは、2人を交互に見やりながらその会話を静かに聞いている。
「そういえば……今回起こったモトゥブのクロウドック地方にあるカーシュ族の村落が焼失した事件についても失踪者が関わっていたが、そちらも調査があまり進んでいないな…………」
ヘビーガンはそう言うと、その場にいる2人を信頼して少々機密に当たるところまで事件についての話をした。
「こっちにも報告は上がっているけど、何せ第一発見者が別の軍事会社………たしか、リトルウィングの社員だったから、自社で調査しているらしくてガーディアンズには依頼が回ってこないのよね」
肴をつまみながら、エトワールはそう言う。
同じような方向性を持つ会社というのは、言わば商売敵であり互いに協力すると言う事は殆どない。
そのため、今回の事件に第一発見者として関わったリトルウィングという軍事会社が、一般の民営会社としては事件を独占していると言う形になっているのだろう。
他には、太陽系警察や同盟軍などの官営の部署が調査に乗り出しているのみなのだ。
「けど、こんな大規模な事件だったらいずれ協力要請が出るんじゃないかな?」
話に少し割り込むようにミュラがそう意見を出す。
「たしかに、今回の事件は規模が大きくはなっても小さくなることはないだろうから、いずれは警察権が認められているガーディアンズにも調査以来が回るだろう」
ヘビーガンはそうミュラに合わせるようにしてエトワールに言うと、ラッピーカレーを頬張った。口の中にはカレーのスパイシーな香りとジューシーなラッピーのモモ肉の味が広がる。
「そうだね~。そうなると、また仕事が増えるのか……あぁ~、私の休みが減っていくよ~」
年甲斐もなく(外見的には遺伝子の異常か何かで10代後半ほどの少女に見えるが)愚図るとエトワールは、嫌なことを振り払うように酒を煽った。
「こんな時は飲みましょうね~。うちの利益も上がるし」
ミュラは冗談半分でそう言いながら、持ってきた酒をどんどんと注いでいき、エトワールはそれを飲み干していく。
次第に酔いが回ったエトワールの口からは夫との惚気話などが溢れ出し、しまいには暑いなどと言いながら服を脱ごうとし、それを引きとめようとしたヘビーガンがメギドを食らい昏倒するなどの騒動があってこの日の集まりはお開きとなった。

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コメント

だから、ミュラさんは未成年だから飲酒は!?
・・・って、ラッピー食べちゃだめぇぇ!!
・・・いえ・・・。
出させていただきまして、ありがとうございます。

酔えば大体あんな感じかもです@@;

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