« PSPo2小説13 | トップページ | 反省…… »

2011年11月16日 (水)

PSPo2小説14

[注意書き]
この小説は株式会社SEGAから発売されているPSPo2の二次創作小説です。
原作をプレイしただけではわからない部分には作者独自の解釈などが含まれますので、苦手な方はご注意下さい。

第14話「予感」

 同盟軍が失踪事件への介入を決定してから数日後。ガーディアンズとリトルウィングの行った調査により、インヘルト社の敷地内にて失踪者が多数発見され社が今回の事件に関わっていることが明白となった。これにより三惑星同盟議会からの正式な許可が下り、同盟軍では調査のためにインヘルト社の私有地へと部隊を派遣する事が決定した。
 昼頃に再び大隊長室へと呼び出されたヘビーガンとジェガンの両名は、ガーディアンズによるインヘルト社の内部調査結果と議会からの許可が下りたことを知らされた。そして同時に、自分達が組み込まれる調査部隊についての詳細なデータも渡された。
 2人の部隊が編入されるのは、ニューデイズにあるハビラオ禁止区へと向かうチームである。
 このハビラオ禁止区は高濃度のフォトン粒子が常時漂っており、生身の種族が立ち入ると高濃度フォトンによる中毒症状を引き起こす可能性があるため、通常時には許可を得たもの以外の立ち入りが禁止されている区画となっている。
 そのため、今回のガーディアンズとの合同調査では、フォトン中毒を心配する必要のないキャストで編成された同盟軍がこの区画を担当することとなったのだ。
 2人は指令を受けると、すぐに各々の部隊へとそれを通達し出撃の準備を整えさせた。準備が整った時点での時刻は既に2100を回っており、作戦開始は翌0400のため現地へ向かう軍用シャトルへの搭乗や航行時間を計算に入れれば残りは6時間程となっていた。
 ヘビーガンは自らの部隊に対して残り時間を自由時間とすると、宿舎の自室へと帰宅した。
「ただいま」
「おかえりなさいませ、マスター。今日は何時もより早かったですね?」
 玄関先で出迎えたパイラヴァは、首を傾げながらヘビーガンにそう聞いた。
「明日の早朝に緊急の任務が入ったのだが、うちの部隊の準備が終わったから自由時間にして帰ってきた」
 その言葉にパイラヴァは納得したように頷くと、帰宅した自らの主を労う為にコーヒーを入れにキッチンへと向かう。ヘビーガンはすぐに簡易ドレッシングルームへと向かうと、重い軍用パーツを脱いで簡易的な物へと着替えて自室のテーブルへと腰掛けた。そこへタイミングを見計らったかのように先程キッチンへと向かったパイラヴァが、コーヒーの注がれたカップとコルトバ牛乳がたっぷりと入ったカフェオレのカップをお盆に載せてヘビーガンの側へとやってきた。
「よいしょ」
そして、お盆をテーブルの上へと置くと隣に腰掛けた。
「今日の晩御飯は何にしましょうか?」
「そうだなぁ……カレーがいいかな」
「そう言うと思って、実はもう下ごしらえは終わっているのですよ~」
 自分の予想が当たり、嬉しそうにそう言うパイラヴァ。
 ガーディアンズ時代からヘビーガンの側に仕え、時には戦場にすらも共に出たパイラヴァはもはや彼やその義娘であるヤックルにとって家族も同然の存在である。そんな彼女だからこそ、自らの主がその日に食べたいと思われるものの予測は大体できるのだ。
 パイラヴァがカレーを作りにキッチンへと向かおうとすると、何を思ったのかヘビーガンは彼女を呼び止めた。
「マスター?」
「ちょっとこっちへ来い」
ヘビーガンは自分の膝をポンポンと軽く叩いてジェスチャーをすると、パイラヴァは首を傾げながらも駆け寄る。そんな彼女をヘビーガンは両手で持ち上げると膝の上へと座らせる。
「な、何をするのですか?」
「ちょっとジッとしていてくれ」
 突然のことに戸惑うパイラヴァに対して、ヘビーガンはそう言うと自分の首からコードを引き伸ばしてパイラヴァの首のコネクションへと接続させた。
「え、ちょっとマスター!?」
自分とヘビーガンがデータリンクされた事を知ったパイラヴァはさらに慌てた。彼と出会ってから今までに、このような事をされたことがなかったからだ。
「…………」
そんなパイラヴァのことなど眼中にないかのように、ヘビーガンは押し黙っていた。背中越しにそんな彼に様子を感じ取ったパイラヴァは冷静さを取り戻すと同時に、自らのデータバンク内に何らかのデータが送信されてきている事に気付いた。
「これ、は………」
それが何故自分に送られたのか、パイラヴァには理解できなかった。30分ほど経つとデータの送信は完了され、ヘビーガンはパイラヴァの首のコネクションからコードを取り外すと自らの首に収納した。
「マス、ター……こ、れは………」
接続が終わると、パイラヴァは不安そうに背後にいる主へと振り向く。だが、彼はただ優しげに彼女を見下ろしているだけであった。
「お前に持っていてもらいたいのだ。まぁ、杞憂だとは思うが」
 ヘビーガンはそう言うと、パイラヴァを膝の上から降ろす。
「じゃあ、美味いヤツを頼むぞ?パイラヴァ」
その言葉に、精一杯明るく返事をしてキッチンへと入っていくパイラヴァであったが、嫌な予感を拭うことは到底出来なかった。
「マスター………」

« PSPo2小説13 | トップページ | 反省…… »

PSPo2小説」カテゴリの記事

コメント

ヘビーガンさんに死亡フラグ!!

ヘビガン師匠のカフェオレは、コルトバ牛乳と塩がたっぷりはいった、海軍式カフェオレに違いない!!
・・・死なないで・・・。

お久しぶりッスヾ(´ー`)ノ

パイラヴァが台所でラッピーカレー作ってる風景が浮かんだわ

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: PSPo2小説14:

« PSPo2小説13 | トップページ | 反省…… »

つぶやき

2018年10月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

最近のトラックバック